『겐지모노가타리(源氏物語)』의 초기 정전(正典)형성과정에 관한 고찰 - 행사와의 관련성을 중심으로ー
- Authors
- 김수미
- Issue Date
- 2013
- Publisher
- 한국일본문화학회
- Keywords
- 正典; 行事; 『源氏物語』; 準拠; 注釈書,王朝文化,権威
- Citation
- 日本文化學報, no.58, pp.123 - 142
- Indexed
- KCI
- Journal Title
- 日本文化學報
- Number
- 58
- Start Page
- 123
- End Page
- 142
- URI
- https://scholar.korea.ac.kr/handle/2021.sw.korea/133683
- DOI
- 10.21481/jbunka..58.201308.123
- ISSN
- 1226-3605
- Abstract
- 本稿は、今まで正典形成の要因としてあまり重視されてこなかった<行事>というのが、『源氏物語』の初期正典形成の重要な要因であることを確認したものである。特に、ここでは、三田村雅子氏が注目した後代の行事ではなく、『源氏物語』内に描かれた<行事>のことに注目して論を展開してみた。 まず考察範囲としては、『源氏物語』における数多い行事の中で、算賀の行事、絵合巻の絵合、若菜巻の女楽に限定し、これらの行事の準拠を考察してみることによって、作品内に描かれた行事がどのように正典形成に関与しているかを考察してみた。 その結果、『源氏物語』における行事は、歴史上規範とされてきた宇多上皇、醍醐天皇、村上天皇の時代の行事を裏付けに描かれていることによって権威が付与されていることを確認した。特に、詳細な『源氏物語』内に描かれた詳細な行事の記述が、その先代の歴史行事の記録に依拠した形で描かれることによって、『源氏物語』というテキストを正典と位置づける重要な役割を担当していることを明らかにした。 当時、儀礼、行事に関する記録は男性により管理され、支配層の政治権力の維持、文化の継承として重要な手段として利用されてきたが、紫式部はそのような行事、儀礼に関する記録を、自分の物語世界に持ち込み、格調ある行事の記事として再誕生していく。それによって、後代権力者たちは、自分を王朝文化の継承者として標榜するため、『源氏物語』の行事を再現していくのであり、それは『源氏物語』を格上げし、この作品を正典化していくのに重要な役割を果したのである。さらに、『源氏物語』の行事を描いたのは紫式部であるが、その行事の史上の準拠を提示したのは、注釈書『河海抄』であった。そこには、『源氏物語』に描かれた行事を王朝文化の規範として提示しようとする注釈者の意図が明確に現れるものである。 このように、本稿では<行事>というのが、<テクスト><準拠と注釈書><文化受容><政治権力>など、今まで各々正典形成の一要素として扱われてきたものと連鎖しながら、『源氏物語』の初期正典形成を論じる上で看過できない重要な問題であることを確認したものである。
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Collections - College of Liberal Arts > Department of Japanese Language and Literature > 1. Journal Articles
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